PFO(卵円孔開存)が関与する脳梗塞の再発予防には、薬物療法に加えてPFO閉鎖術を行うことがより有効であるということが、3つの大規模臨床試験によって示されています。これらは2017年のNew England Journal of Medicineに掲載されています。
RESPECT | REDUCE | CLOSE | |
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症例数 | 980例 | 664例 | 663例 |
選択基準 | PFOを有する潜因性脳梗塞 | PFOを有する潜因性脳梗塞 | PFO以外の原因が否定される脳梗塞 |
平均年齢 | 45.9歳 | 45.2歳 | 記載なし |
観察期間 | 中央値5.9年 | 中央値3.2年 | 平均値5.3年 |
ハザード比 | 0.55(p=0.046) | 0.23(p=0.002) | 0.03(p<0.001) |
RESPECT Study
RESPECT Trialでは過去270日以内に潜因性脳梗塞を発症しておりTEEでPFOを有することが確認されている18歳から60歳の980名を、PFO閉鎖術実施群と薬物療法群に割り付け、その後のイベント発生率を比較しました。
主要エンドポイントは無作為化後の再発性非致死的虚血性脳卒中、致死的虚血性脳卒中、または早期死亡の複合です。
ITT解析によって、PFO閉鎖術群で脳梗塞の再発を相対リスク45%で有意に低減しました(p=0.046)。
本長期データは平均5.9年が含まれました。
ITT解析によって、PFO閉鎖術群で原因不明の脳梗塞(奇異性脳塞栓症ふくむ)の再発を相対リスク62%で有意に低減しました(p=0.007)。
本データからPFO閉鎖術は薬物療法単独よりも有効であることが示された。
【参考】
Saver JL, Carroll JD, Thaler DE, Smalling RW, MacDonald LA, Marks DS, et al. Long-Term Outcomes of Patent Foramen Ovale Closure or Medical Therapy after Stroke. N Engl J Med.
2017;377(11):1022-32.
Sondergaard L, Kasner SE, Rhodes JF, Andersen G, Iversen HK, Nielsen-Kudsk JE, et al. Patent Foramen Ovale Closure or Antiplatelet Therapy for Cryptogenic Stroke. N Engl J Med.
2017;377(11):1033-42.
Mas JL, Derumeaux G, Guillon B, Massardier E, Hosseini H, Mechtouff L, et al. Patent Foramen Ovale Closure or Anticoagulation vs. Antiplatelets after Stroke. N Engl J Med.
2017;377(11):1011-21.