PFO閉鎖術 医療従事者向け

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カテーテルによるPFO閉鎖術の適応

奇異性脳塞栓症の確定診断例もしくは潜因性脳梗塞で原因としてPFOの関与が疑われる例(一過性脳虚血発作を含む)が、AMPLATZER™ PFO Occluderの適応になります。以下、添付文書からの抜粋です。

【使用目的】
本品は、潜因性脳梗塞(奇異性脳塞栓症の確診例、又は一過性脳虚血発作(拡散強調画像などの頭部画像で陽性例)を含む)の既往があり、PFO(卵円孔開存)の存在が脳梗塞の発症に関与していると判断された患者のPFOの閉鎖を目的とする経皮的カテーテルPFO閉鎖機器であり、脳梗塞の再発リスクを低減する目的で使用される。
【使用目的又は効果に関連する使用上の注意】
本品は原則として60歳未満の患者に適応すること。
[60歳以上の患者には本品の有効性及び安全性は確立されていないため。]

適応判断にあたっては、日本脳卒中学会、日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会の3学会合同で作成された「潜因性脳梗塞に対する経皮的PFO(卵円孔開存)閉鎖術の手引き」を参考にします。
適応判断に必要な検査等の基準が明示されております。
上記手引きに従ってPFO(卵円孔開存)を診断し、その他の原因を除外された例が、本治療の対象となります。
手引き書を一部抜粋した診断基準を以下に示します。

手引き書ダイジェスト(アボット資材)

PFO(卵円孔開存)の関与があり得る潜因性脳梗塞の診断基準

  1. PFO(卵円孔開存)を有し、塞栓性機序が考えられる
  2. 単一穿通枝領域脳梗塞(ラクナ梗塞など)でないことの MRI(または CT)での同定 (ラクナ梗塞の除外)
  3. 梗塞巣に関連する頚部動脈または脳動脈の閉塞ないし 50%以上の狭窄が存在しない (アテローム血栓性脳梗塞の除外)
  4. 高リスク塞栓源心疾患が存在しない(表参照) (心原性脳塞栓症の除外)
  5. 大動脈原性脳塞栓症の確診例ではない
  6. 脳梗塞を起こしうる特殊な原因(血管炎、動脈解離、可逆性脳血管攣縮症候群、薬剤不正使用、血栓性素因、悪 性腫瘍など)が存在しない

【参考】

表:高リスク塞栓源心疾患
左房内血栓、左室内血栓、心房細動、発作性心房細動、洞不全症候群、持続性心房粗動、1 か月以内の心筋梗塞、リウマチ性僧帽弁・大動脈弁疾患、機械弁、28%未満の低駆出率を伴う陳旧性心筋梗塞、30%未満の低駆出率を伴う鬱血性心不全、拡張型心筋症、非感染性血栓性心内膜炎、感染性心内膜炎、乳頭状線維弾性腫、左房粘液腫

脳梗塞再発予防を目的とした経皮的卵円孔開存閉鎖術の適応基準

  1. 必須条件:下記の条件をすべて満たす場合に本治療の施行が検討される
    • 卵円孔開存の関与があり得る潜因性脳梗塞の診断基準に合致した患者
    • 閉鎖術施行後一定期間の抗血栓療法施行が可能と判断される患者
    • 原則として、60歳未満の患者
    • (女性の場合)妊娠していない、かつ1年以内の妊娠を希望しない患者
  2. 推奨基準:上記を満たし、かつ下記のいずれかの条件に当てはまる場合には本治療の施行が推奨される
    • 下記のような機能的・解剖学的に高リスクの卵円孔開存を有する場合
      ✓ シャント量が多い
      ✓ 心房中隔瘤(atrial septal aneurysm:ASA)の合併
      ✓ 下大静脈弁(Eustachianvalve:EV)の合併
      ✓ キアリ網(Chiari network)の合併
      ✓ 安静時(非バルサルバ負荷下)右左シャントを有する
      ✓ 長いトンネルを有する卵円孔開存
    • 適切に施行された抗血栓療法中に上記潜因性脳梗塞を発症した場合

【参考】 日本脳卒中学会・日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会 三学会合同手引き作成委員会「潜因性脳梗塞に対する経皮的PFO(卵円孔開存)閉鎖術の手引き」, 2019年5月.
https://pfo-council.jp/(外部サイトへリンクします)

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