PFO閉鎖術 医療従事者向け

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病態と診断

脳梗塞とは

脳の血管が破れたり、詰まったりすることによって意識がなくなったり感覚に障害を起こす状態を脳卒中といいます。その中でも脳の血管が詰まるタイプの脳卒中が脳梗塞であり、脳卒中の多くはこのタイプになります。脳の血管がつまることで脳の組織に酸素を運ぶことができなくなり、やがて細胞が死に至り、意識や感覚に障害を引き起こします。

提供:東京慈恵会医科大学 脳神経内科

「日本国内では年間およそ30万人が脳卒中を発症しており、その大半が脳梗塞であるといわれています。また、一度脳梗塞を起こした患者さんは、年間3-5%の確率で再発を起こすといわれています。」

検査

脳梗塞の原因を調べるためには以下のような検査を行います。
原因を適切に診断することによって、それぞれの患者さんに合った再発予防治療を行うことができます。

頭部MRI・頭部CT

頭部MRI・頭部CT

心電図

心電図

心エコー

心エコー

血液検査

血液検査

脳梗塞はその原因によって分類がなされますが、中には原因が特定できない脳梗塞(潜因性脳梗塞)と診断せざるを得ない場合が少なくありません。

原因不明の脳梗塞(潜因性脳梗塞)の原因には発作性心房細動や大動脈弓部プラーク等、考えられる原因がいくつかありますが、その一つがPFO(卵円孔開存)です。

卵円孔は胎生期に認める右心房と左心房をつなぐ孔であり、出生後は通常閉鎖します。一部閉鎖せずに遺残した状態をPFO(卵円孔開存)といい、一般剖検では有病率は26%といわれています。
何らかの要因で右房圧が上がり右左シャントが生じたとき、静脈系血栓がPFO(卵円孔開存)を介して左心系へ進入することによって、奇異性脳塞栓症を発症します。
潜因性脳梗塞の約50%にPFO(卵円孔開存)が併存するといわれており、脳梗塞を引き起こす可能性があるといわれています。

出生後、卵円孔は自然に閉じることが多い

卵円孔が開いたままの場合、主に下肢の静脈の血栓が卵円孔を介して脳へ到達することがある

【参考】
Ay H, Furie KL, Singhal A, et al. An evidence-based causative classification system for acute ischemic stroke. Ann Neurol. 2005;58:688-97
Homma S, Sacco RL : Patent foramen ovale and stroke. Circulation 112 : 1063-1072, 2005

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エキスパートからのコメント
脳梗塞再発予防の新たな選択肢
山梨大学 上野祐司先生